忘日、八海山の麓の里道を歩く。
午前中に多摩から南魚沼の塩沢まですっ飛んできて、そのあとここへ来た。早朝に家を出ようと思ったら雨が降っていて、その上寝不足でぼんやりしていて、出発を遅らせたからここについたらお昼をだいぶ過ぎた。
ここまで来た理由は、ウェブサイト htkaisan-photo.com/tp://wataru.hak に掲載された絵に強烈に惹かれ、その実際の場所を一目見たてみたい思ったからなのだ。
なので、その中の何枚かの絵をこのブログにもお借りしようと思う。(お借りするに際しお断りをするにしてもそのやり方がわからない。ご容赦をお願い致します。)そして、お借りした絵と現地写真を並べて見ようと思う。
この場所に来て、かろうじて記憶に留まっている絵の光景と同じ風景を求めて里の中をうろついたわけだが、その前に腹が減ったので八海神社の前にある八海会館というところで蕎麦を食った。
八海神社
会館の中に入ったら30畳ぐらいの座敷にぽつんと一人きりだった。座敷を眺めまわし、どうもこの建物は修験者の宿泊施設ではなかったのか、と思った。座敷の中に立派な神棚のような設えがあるし、何より蕎麦屋さんにしては広すぎる。
ほどなく、とてもおとなしそうな店主が注文の天ぷら蕎麦を運んできてくれた。入る際、表の「準備中」の看板がちらりと目に入ったが、塩沢から電話をかけておいたのでたった一人のお客のために蕎麦を作ってくれたらしい。ありがたや! 蕎麦も天ぷらも、店主の柔和な顔のように旨かった。
八海神社から里に下り、「トミオカホワイト美術館」に車を置き、(美術館は改装中)近くの上出浦集落に行く。宇田沢川に架かる橋と集落の中の特徴ある民家をみる。
上出浦橋
特徴ある民家
畑の中を通って下出浦集落に行く。ここでは石神神社という絵がにあり、そのお堂の内部の絵もある。
下出浦橋
お堂内部
お堂の天井は絵天井であり、奥の人物2名の写真は平成天皇と美智子皇后。
車でちょっと走って、雷伝様の湧水を見、法恩寺も訪ねる。
雷伝様湧き水
雷伝様
法音寺
八海山の麓の里は、絵で見た通り伸びやかでどこも清々しい。集落の中にほとんど人影は見られなかったが、郷愁を誘う風景であり、引用させていただいたウェブの本文を読めば少年の日々がふつふつと蘇ってくる。
この絵を描かれた人は、残念ながら亡くなられたそうだが、素晴らしい絵を見せていただいたこと、それによって遠い少年の日々を思い出したこと、何よりもそこに生きた人々の”生きる”という営みが連綿と続いていることを思い起こさせていただき、ありがとうございました。
ここまで行ってみて、本当に良かったと思っています。