doniti 日誌

( おもしろき こともある世を おもしろく)

水道みちと道端の花

  引きこもりのゴロチャラ、食っちゃ寝ばかりでは腹が出てくるです。

 どこかを歩かねばならんがです。

 

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 大正末から昭和初めにかけて、東京の水ひっ迫に対応するため、村山貯水池を建設し多摩川の水を羽村で取水して送水することが計画された。

 野を一直線に横切って、コンクリート製の導水管が埋め込まれ、村山貯水池、山口貯水池が完成し、武蔵境の浄水場へ送られて都の水道に大いに貢献している。

 

 で、その導水管を埋めた跡が細い道として残されている、というので歩いてみようと思った。ところがどっこい、横田基地でその細道は途絶、いくらなんでも、「はい、水道みちを歩きたいので、ちょっくらお邪魔しますよ」と基地内に入るわけにはいかない。

 

 仕方がなければ即ち止むを得ない。細道のほんの一部、横田基地から羽村の堰まで歩いて、我が出っ腹の減少を企図すべく、忘日、路傍の草花を友として歩き始めた。ちなみに、滑走路の西側に張り出している緑色の塊は、極めて贅沢な米軍の住宅地である。ここから羽村の堰を目指して歩く。

 

 

 

 大きな工場や運送会社のビルの谷間に、幅1.5mほどの道がひっそりと残されていた。「神明緑道」という名がついているらしい。入ってみると、舗装されたり砂利になったりしつつ続いていて、道脇に草花が多い。

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 道端の草花を眺め、できれば少し名を覚えるため写真を撮りながら、ゆるゆると参ろう。・・・帰宅して思った。花の名を覚えるには、なによりも現地でその花をしげしげ穴あくほど観察せしむべしで、また写真は葉っぱも一緒じゃないと分かりにくし。

 

 

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 ①真ん中の黄色い花は3センチほどの大きさ。前回教えてもらったコオニタビラコの仲間のオニタビラコじゃないかと思う。全身を写すという知恵が働かず、花ばっかりに気を取られてしもうた。

 

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 ②少々呆けているのは、なにしろ花が小っちぇ! 3~5mmほど。淡い水色なので草の中では案外に目立つ。小さい図鑑を見た限りでは、キュウリグサとも思うが自信は全くない。野の花は概ね小さいのが多いようだが、花としての機能はみな一人前らしい。

 

 この道は草木で両側が隔てられていて、「唯我独尊」みたいな気分にさせてくれる。躑躅ははや、「名残の」という感じで、季節の移りがなんとも早いと思う。ものすげえ暑い夏が、今年はいつまでもだらだらと続くのだろうか?

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 建物が前方に立ちはだかっている場所があった。しかしよくよく見ると、この道の延長線だけは穴が開いていて、上に建物が乗っていない。思うに、埋設してある導水管がコンクリートの柔なので、重い建物を乗せないようにしているのだろうか。

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 しかし広い道路を横断もしていて、う~むと思わされるが、たぶん道路下には導水管を傷めないような特別の補強が施してあるのだろう、と無理やり思うことにしてこの問題は打っちゃった。広い道路を突っ切ってまた細道が続いている。

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  道は団地のど真ん中を横切って広くなった。東京都水道局のマークが埋め込まれている。この細い道は都の水道局の所有、管理なのだろうが、開発上さまざまな施設が造られる止む無きに至るとも 、上に建物は造らせないらしい。

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 そうして、相変わらず道っぱたには草花がある。今までどれほど「見えれども見ず」を繰り返してきたことだろう、と思う。無関心だったわけじゃなさそうだが、名を知らず、覚えようともせず、ただひたすらにぼんやりしていた。少し反省した。

 

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 ③これはだれでも知っているらしいけれど、図鑑を見るまで分からんチンだった。これほど恐ろしいボケなのだ。ハハコグサでいいのだろうと思うけれど、さらに自信なし。そうだとしても何がハハコ(母子)なのか、それがチンプン?

 

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 ④これはもう、なんにも分からない。花の大きさは2cmぐらいだったかなあ? 少し群生していた。図鑑を見てセリバヒエンソウというのがあったけれど、舌を噛みそうな、縁のなさそうな、他人みたいな名前だしなあ?

 

 

 団地を抜けるとまた細道に戻って、進むと青梅線の線路でとうせんぼ。すぐ近くに踏切があったのでこれ幸いで、向こう側に行ってみたら、なんと狭いけれど自動車道路になっていた。う~む、柔なコンクリート導水管、大丈夫かあ!

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 自動車道路ではあるけれど狭いのでめったに車は通らない。そうして突き当たって細道は終わった。この下に玉川上水があり更に向こうは多摩川。今回は横田基地からここまでの短い距離だったが、いつの日にか基地から村山貯水池まで歩くべし、と思う。

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 さて、玉川上水が導水管へ流れ込む場所を確認しておきたい。崖線を下っていくと上水の縁に出て、堰から取り入れられた青い水が滔々と流れていた。この水量の半分ぐらいが、この下流の小さな堰から村山貯水池への導水管に呑み込まれてい入るらしい。

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 美しい桜並木と草原を300mほど下流に行く。ちらほらと散歩の人たち。導水管への取り入れ口は堰止められた水がゆったりと揺蕩い、正面の堰を越えて向こう側へどうどうと音を立てて流れ落ちていた。ここから村山貯水池まで自然流下らしい。

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 さて、今日は17㎞ほど歩いたけれど、腹がへこんだかどうか?

 まあ、へこまないとしても、気分転換になったし、野の花の写真も撮った。

 帰宅後の一杯も旨いし、まあまあだな。

 

 

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