今回は他領域へ侵攻するのだ。
朝のさんぽでも、街の中はつまらない。ついつい川っぷちに出ることとなる。川っぷちと言っても、いつもの土手を上流へ行くか下流へか、その二つしかない。然らずんば、他領域へ侵攻するしか手がないぞ。いざ侵攻すべし!
侵攻するには、まずは橋を渡らねばならない。橋の上は日影がないが、川風が少しだけある。橋の下を多摩川が相変わらず流れている。ひと時も休まず流れて、それでもって厭きる、ということはないらしい。丘陵の緑は夏らしく色濃い。
橋の向こう側は河川敷の草莽がジャングルのごとし。その中に一本の道がある。れれれ~、向こうからゴリラがきたぞ! えッ! なんだ車か、そう見間違えるほど、両脇のジャングルはわあわあ鬱蒼、植物の成長のピークか。
このジャングルを抜けると、視界が広がって河川敷の運動場がある。少年たちが野球をする。大人少年も野球をする。メンバーに若い女性が一人混じっていた。スローイングなど、なかなかのものとお見受けした。いいな、野球する少女。
少年たちの中に、にーちゃんやおっさんが混じっている。この人たちが少年たちを怒りとばしているのを以前見たことがある。教える、じゃなくて鬼のように怒る。こんなのなら、神社の境内の三角ベースの方がよっぽど楽しいと思う。誰もがプロ選手になるわけじゃあるまいし、子供の頃の思い出は”楽しい”がいちばん。
いくつかの草野球場を過ぎると、畑と青田が清々しい。「多摩の米どころ」と言いたい。青田の広がりは、ところどころ黄ばんでいるから、もう稲穂が出たのもあるらしい。コロナにかかわらず、季節は黙って巡っていく。
あぜ道を行けばイナゴのようなものが、わらわらと飛び出し田んぼに逃げるていく。イナゴのジュニアのように見えるが、とっ捕まえる自信がない。もうよぼよぼじゃ、追いかけて捕まえて、なんてとてもじゃないが・・・情けなかあ!
青田の海原の先にこじんまりと集落。懐かしいような風景、これが茅葺屋根なら、、、なんてことを思ってはいかん、もう昔じゃないんだ、ウサギを追う山も小鮒を釣る川も、はるか遠くに消え去ったのだから。
滔々と流れる用水の縁に腰をかけて一服する。かすかな風が吹き抜けて、汗が引いていく。このまま帰らなくてもいいのなら、ずっとここにこうしてぼんやりしていたい。なに、帰らんでええよ。”涼しさやせせらぎにくる風すこし” 。。。ちゃんちゃん!
今日見かけた虫たち。いずれも写真の腕がなっちゃあいないから、大ボケ小ボケ、しかしまあ、いずれの日にか上達することを期してアップ。どうもわが身から毒光線でも出ているらしく、ちょっと近づくとたちまち逃げてしまうのだ。
この蝉は亡骸
別な橋を渡って帰路、頭の上から、ぐわしゃ! と陽が照り付ける時刻。こんなに時間がかかるとは思わなかったが、けっこう距離も歩いている。なんでも自分の都合のいいように判断するので、例えば距離は大したことなく、時間は短時間で終わるだろう、みたいな根拠なき 予想をする。そして罰が当たる。
お寺にお邪魔して、大一服する。美人の観音様にご挨拶したら、「お前はまだ分らないのか? 生は光のごとく速し、諸行無常、生きてる時間を無駄にしてはならぬ、こころせよ」とのご返事。痛み入りますです、ハイ。
帰宅11時(あちぃ~ あちい~)
距離(18800歩×0.6=11㎞)
こういうのを世間ではバカという。