我らのクラブもいよいよ活動再開、実に3か月ぶり。
でもって、今回はハイキング。それも遥か神奈川県の西、小田原に近い秦野市へ。いやはや、小田急の秦野駅まで随分と乗りでがある。前夜の地震の影響が残り、鉄道はどこでもダイヤがめちゃくちゃ、というおまけ付きで十数名が参加。
鉄道ダイヤの混乱で秦野駅集合が遅れ、「全員集合! 」となったのはすでにお昼近く、しかし初心者コースであり、あまつさえ距離が短いから、な~んも問題なし、ということで出発した。今回の案内役は若え衆(と言っても50歳代)。
今回はハイキングということだけど、ハイキング、トレッキング、ウォーキング、ワンデルング・・・これらがそれぞれどう違って、どう使われるのか、さっぱり分らんチン(だからカタカナは嫌いだ)、ま「低山歩き」とでもしておこうか。
「弘法山ハイキングコース」というので、さっそく「弘法清水」現る。石造りの架け屋根の下から、滔々と清水が湧き出している。飲んでみると口当たりがとても柔らかい。「軟水だな、こりゃあ」「しかし平地でこれだけ水量が多いのは珍しい」などと言い合い、それでみんなが打ち解けた。
国道246号線と東名高速に挟まれて、緑の丘陵が東へと連なり、浅間山、権現山、弘法山を結ぶ道がハイキングコースとして整備されている。最初はいきなり山肌に取り付いて、ジグザグの上り道、ヘタレはやっぱり息が切れる。
樹木が日光の直射を遮って、その分いくらか楽だけれど、ぜーぜー、はーはー、ちびっと登っては休む。休んでは少し登るの繰り返し。案内役の若え衆はそれを気遣ってちょくちょく休んでくれるので有難い。
浅間山のピークを越えて幾分なだらかになった。いやはや体力が無いなあ、これだけで足がへろへろだもんなあ。平地はよく歩いている方だと思うけれど、山道を登る筋肉はまた別なのだろうか!? 同年代でも平気な人は多いだろうに!
そして権現山の頂上に到着。標高260mほどだというから、麓からたった160m登ったに過ぎない。それなのに10mも登れば足が突っ張らかって動かなくなる、息切れ激しくあえぎあえぎ、汗はだらだら。
こんなんで500mも登った日にゃあ、あっけなく死ぬ。世のおばさんたちが千mもの山をスイスイしていることを見聞きすると、わが身はほんとに情けない。情けなくてため息も出ない。けっして歳のせいだとは思いたくない。
しかしわが身の情けなさはあっちに置いておいて、展望が開けて地上の景色広がり、青い山の連なりは美しい。丹沢や箱根の山々が展開しているのだろうが、山の名を一個も知らないからどこが何やらだが、清々しい感じはする。
緩いアップダウンの連続となり、もうこうなったら、勇気百倍、槍でも鉄砲でもと思った矢先、弘法山頂上直下でまた階段道。もはや不平も出なくなって黙り、死ぬ思いで登って、弘法山のピーク。
3階建てくらいの展望台があり、その日影のテーブルで昼飯。コンビニおにぎりとはいえ、これが一日の最高の幸せなり(安上がりの幸福だ!)。芝生の広場に秋の柔らかな日が照り、憩う人多少、それぞれに幸福な昼飯の時間。
大きな石のオブジェがおもしろい。なにか文字が刻まれているようだが、さっぱりわからない。秦野の平地が遠く霞んで、秋霞(こんな言い方あるんか?)の中に煙っている。標高200mの下界の眺め。
そこから平らな歩きやすい道が続き、世の中が平和になったように楽しい。お互いに何事かをくっちゃべり、お互いを知りあう。われら年金世代はよその人と知り合うことが難しい。だからこのクラブも、その点で存在価値あり、と思う。
弘法山の石碑を過ぎて、釈迦堂が建っていた。建物の中に弘法大師様が泰然と座っておられる(どういうわけか肌が黒い)。ここでまたしばし休憩。こう休憩ばかりしていたので、50代の女子がしびれを切らした。
なんと! このハイキングが終わったら、今夜の夜行バスで尾瀬に行くという。ヘタレの身には信じ難き暴挙と思えるが、平気らしい。これから帰って身支度し、夜11時までに新宿バスタに駆けつける、ので少しお先に失礼すると言う。
ここからは下り道、有難きかな。しかし下りは膝への負担に注意しなければいけない。考えられないほどもろくも膝を痛める。だがそんな心配をしているというのに、途中でランニングしている若い女性に出会った。
山道を走るのが一つのブームであるらしい。またカタカナで癪に障るがトレイルランニングとかいうらしい。天をも、神をも恐れぬ所業なるべし。ではあるが、どうも世のなか全般、女性の活躍は目覚ましいらしい。たださえ怖いのになあ!
途中で「矢倉沢往還」という。峠道の切れっぱしに立ち寄った。東海道の脇往還で、現在の246号線に概ね沿っているらしい。その一部の峠道だという。幅2mほどの砂利道が高みを巻いて上へと続いている。高みに常夜灯が残っているらしい。
道の途中でまたまた休憩していたら、お孫さんに先導された、白髪の上品なおばあさんが通り過ぎた。80歳代ではないかと思われる。20歳代と思われる娘さんが振り返り振り返りながら先を行く。
おいおい、負けちゃいられないんじゃないか! こんなところでぼんやり突っ立っている場合じゃない、歩こうや、ハイキングは歩いてなんぼじゃ。誰かがそういったから、やむなく出発、終点の鶴巻温泉駅はもう近い。
4時ころ鶴巻温泉駅到着。
ハイキングは約8㎞、しかしエライこと山道を歩いた気分。
悪友と誘い合わせ、町田駅で途中下車。
久しぶりのビール、ハイボールがえらく効いて
へろへろで帰宅。やんぬるかな!