忘日も、忘々日も、そして忘々々日も梅雨空、仕方がないからネット逍遥。
ネット上のブログの数に、まあ驚く。どれほどの数なのか想像もつかないけれど、地上の人の数より多くはないだろうとは、ようやく想像できる。ブログを書き、コメントしあい、時に意気投したりして、世の中の人の在り方さえ変えてしまうのでは、と思う。
ブログのテーマ(何について書くか)も実に多岐多様に亘っているいるようで、まず日々の食べ物について、がある。これは毎日のことなので、ネタがなくて困る、という事態にはならないに違いない。巧い事を考えたものだ。
趣味に関するものがある。料理、釣り、自転車、車、旅行、登山、ハイキング、和歌、俳句、畑、植物、昆虫、・・・趣味だけでも数えきれないが、その一つ一つに書かれるブログが存在してそうだ。なんという世の中になったんだ!と年寄りはため息をつく。
その中で、退職おやじが深くふかく嵌まり込んでいるのが、車中泊全国行脚ではないかと思われる。車は旅のあいだ生活の場となるものであり、キャンピングカーだったり普通の車を自ら改造したりするらしい。
これでもって行きたいところへ走り、そこで何事かをしたりしなかったりし、夜は道の駅、公営の駐車場、キャンプサイトなどに停めてしかる後、飯を食いに行ったり風呂に入ったり、驚くのはほぼ毎日車中で自炊したり、そうして朝を迎え、またどこかに流れていく。流れないでお気に入りの場所である期間留まることもあるらしい。
このように車中泊をするに都合のいい施設が全国的に整備され、または整備されつつあるようで、いつの間に!? とこれまた魂消てしまう。食うことについては、コンビニ、スーパーなんでもあって、何でも買えるから全く問題はないように見える。
それでこれが退職おやじに大人気であるらしく、退職期限を待ち構えていてその時が来たら、それっ!行けえええ~っとばかり飛び出すようでもある。中には退職を待たずにして、車を改造し整え、中での暮らしおさおさ不都合が無きよう備品を揃え、家族への根回し十分、もういつでも飛び出すべく、その日を待ち焦がれている人もあるとか。
いったい何が、退職おやじをかくの如く駆り立てて止まないのだろう。まず、退職しなければ全国行脚はちと難しい。女性にとってこれは少しヤバヤバだろう。とすると可能なのは男であってかつ退職者ということになる。
しかしどうも見るところ、男で可能だから、というよりも、男にとってどこかを流離うこと、これが悲願の夢であって、また居ても立っても居られないほど希求して止まないもの・・であるらしいのだ。
それに対し、女性はそれが可能だとしても大部分の人は乗り気になれないらしい。(もちろん個人的には当てはまらないけど)退職おやじが準備万端、さあ、となり、奥様にどうじゃ一緒にと誘っても大体は振られてしまうのだそうだ。かってに行ってよ、というわけらしい。
これは如何なる訳のものなのだろうか。確かに「亭主元気で留守がいい」は珠玉の名言であるらしいし、旦那が退職して毎日家にいるのが鬱陶しくて堪らんとです、というのも聞いたことがある。
となると、狭い車の中、もう見飽きるほど見てきた顔がすぐ目の前にあって、それが毎日まいにちであれば、もしかして鬱陶しいを通り越して気が変になりそう、という案配にもなりそうだ。
しかし・・・実は、もっと深いふか~~い理由があるように思う。それは、男は一か所に留まらず放浪する動物であるが、一方女性は(巣がある)場所にとどまって動かない動物である、というもの。
これは神がそのように造り給うたのか、はたまた遺伝子のなせる業なのか、詳らかではないと言えど、男女それぞれの生まれながらであり、決定論であり、個人のいかんともせざるところなのだ。女性がふらふらしていたら子供は育たん、と思うがですよ。
かくの如く、男の放浪、女性の停滞、その理由としたるものは深淵にして運命的であり、動かさざるべき真実・・・ってな塩梅になっちゃったけれど、
これでいいんだろうか!?
ともあれ、退職おやじたちよ、
男どもの夢を乗せて
車中泊全国行脚、れっつ・ごお!