doniti 日誌

( おもしろき こともある世を おもしろく)

春分の花フェステバルやや寂し

 

 

 運転免許更新で警察署に行ったから、近くの公園に入ってみた。

が、春分とは言えどまだ少し寂しい。花フェステバルだぞ~、と言ってはいるものの、あふれかえるような花の盛りはまだ少し早いようだ。えーと、花の名を知らぬなれど、たぶん河津桜、山茱萸花桃、日向瑞樹、木瓜、寒緋桜・・・などかなあ。

 

 

 肌寒きと言えど天気晴朗なれば、1年坊主らしき集団がきちんと整列して幾組も歩いているし、立派なカメラを担いだ爺ちゃんがさ迷っているし、驚いたことに婆ちゃんまででかいレンズのラメラを持っているし、花少なしと言えどなかなかどうして。

 

 花桃。桃は染井吉野の後に咲くもの、との思い込みだが、単に桃と言ってもおのずと種類これあり、開花の遅速、当然か。梅、桜みな同様なり、ということを理解せず。地面を覆う黄色の水仙と、ぽってりした赤い花の対照の妙これあり。

 

 

 木瓜は呆けに通ず、ゆえに変てこりんな花なり、と思っていたが、よくよく見れば栽培種はなかなかのものだ。花びらにそこはかとない光沢も感じられ、梅鉢のような形も優雅。「木瓜一花ゆえの人目をそっと惹く」(稲畑汀子


 

 これは河津桜なのかなと思うのだが、この時期もう散ってるはずだよなあ、とも思う。要するにわからない。花が少し小さいような気がするが、染井吉野では断じてないし山桜でもないようだし、モノを知らないというのは困ったもんだ。

 いつも思うのは、桜はこれぐらいの色がついているのがいい。染井吉野はどこにでもあって、かつ白すぎる。その白いところが又いいのだ、というのも分かるような気がするが、こんなにどこでも染井吉野ばかりだと少々辟易する。



 寒緋桜というのは、ほんらい沖縄の桜なのだろうか、と思ってWikiさんに尋ねてみたら台湾、とあった。ほぼ熱帯の国に生まれた桜が、まだしも寒き日本の3月に咲く、というところがよく分からないけれど、花色は飛び切り鮮やか。

 すべての花びらが下を向いてしおらしいが、その形と色合いは頑固と見えなくもない。こう来ると染井吉野の白っぽさが清楚な少女のようでもあるが、まあ、寒緋桜はおいらんの圧倒的存在感、とでもしておこうと思う。

 

 

 菜の花に埋もれて母と幼女二人。幼女はちょこまかとあちらへこちらへ、母はそれを追って手をつないでは引き戻すしぐさが、ほほえましい。その周りに「愛情」という目に見えない霧が立ち込めていた。

 

 

 珍しい花に出会った。なんでも水仙の野生原種に近い花だとか、しかし名前はどこかにすっ飛んでいって消えてしまった。これは今見る水仙よりも美しくはあるまいか?!黄色い蕊を囲む花びら(?)が薄絹のようで、なんだか気品を感じる。

 「花フェステバル」も、こんなような普段見られない(自分だけ知らないのかもだが)花をわんさか見せてほしいものだ。そうすれば、単に花が咲いている、だけではなく、へえ~そうなのか、となるであろうに 

 

 

 最後に雑木林の中を歩いた。誰も居なくて、静かで、木洩れ日が柔らかくて、そうして春の足音が聞こえるような気がして、落ち着いた気分になった。いま、冬が過ぎ去っていくらしいが、生きていればこそ出会えるひととき。

 

 

 都合3時間ほどの公園さんぽ

 広い公園だから、約10㎞

 いささか疲れたかな。