doniti 日誌

( おもしろき こともある世を おもしろく)

2023-01-01から1年間の記事一覧

朔風の西は茜に飛行雲

この季節になると、毎日のように西の空が茜色に染まる。そして赤、黄、緑の色合いが刻々と変わっていく。普段は何もない空が、この時刻ばかりは、輝くような壮観がしばらく続くこととなる。寒いだろうに我慢して見入っている。 その茜空に、ときとして真白な…

冬空の清すがしきに鷺白し

今月の「歩く会」は野川。冬の日が妙に温かい。 野川は国分寺崖線に沿った湧き水を集めた川で、遊歩道や植栽が整備され、多摩地域の住民には慕わしい散歩道。この川べりを我らの「歩く会」も何度か歩き倒しているが、今日はまず、川べりにある深大寺に立ち寄…

短日に追われてさんぽの帰り道

だんだん寒くなって、ますますズルを決め込んで、部屋の中ばかりに縮こまっているから我を叱咤せしめ、結果発奮、天気もいいから散歩に行く。 県境をひょいと電車で越えて、小さな街の駅に降りた。都心から巨大な波紋のように押し寄せた開発は、この土地に住…

遥か出雲へ⑦ (帰ろかな~)

出雲よさらば 今までずっと、西へ西へと向けていた車の舳先を東へと反転した。 意外に広い出雲平野を横断し、宍道湖の南岸を走る。宍道湖畔の一般道路をゆくのだとばかり思っていたら、ナビが勝手に有料道路に入ってしまった。山陰になってしまって、宍道湖…

遥か出雲へ⑥ (出雲)

松江の夜、寂々 ♬関の五本松 一本伐りゃ 四本~♬ と綺麗なおねいさんが歌う。「ちょっと待って貰わねばならん」と百閒が口を出す。「五つあるものを一本伐れば当然四本だ、算術上決まっている、言うまでもない。」 ♬あとは伐られぬ、夫婦松~♬ 「おかしな話…

遥か出雲へ⑤ (鳥取・松江)

丹後半島欠食の朝 丹後半島の山の宿、夕飯なしの欠食爺い達が目覚めた。 宿の庭に出てみると、日本海だろうか、足元の先は茫々とした広がり。しかし朝霧に閉じ込められて、海面も水平線もみえず、もあもあした塊が、しどけなく広がっているばかりだが、もし…

遥か出雲へ④ (福井・丹後)

福井の夜 夕刻になって金沢に別れを告げ、福井に向う。小松を過ぎて山並みを越えた。 福井の宿は、インターチェンジからほど近い市の郊外、周りは殺風景で大きな道路に車がぶんぶん走っているほかは、なにもなさそうだ。これはまいったなあ、肝心の居酒屋が…

遥か出雲へ③ (富山・金沢)

糸魚川の怪しき宿の夜が明けた。怪しきお婆は姿が見えぬ。 コンビニでそそくさと朝飯を詰め込み、さ~て出発。北陸道に乗って、とりあえず富山市へ向かう。この道路は山襞に入り込んで、海は見えない。山の緑は美しいがいささか退屈である。旅の移動は退屈を…

遥か出雲へ② (新潟・糸魚川)

長野県・白馬村の八方温泉にドボンした後、さらに北に向かう。 小谷村に入ると両側から山が迫ってきて、谷底のように狭くなった。姫川に沿って大糸線と絡みながら走る。この街道は塩の道と言うそうで、「牛方宿」などという、ちょっと見てみたいと、そそられ…

遥か出雲へ① (長野県)

友達二人と一緒に旅行へ行くことにした。 行く先は、遥か遠い出雲、この間延々と車を転がしてゆく。 大まかなルートを決めただけで、立ち寄り先を調べたりしなかった。 めんどくさい、のもあるが、立ち寄った場所で何を感じるか、それを優先する。 これを「…

旅の食う寝る

(養老天命円天地の土手の花。名前を知らない) 旅行で知らない土地を訪れるとなれば、是が非でも旨いもの、それもついぞ食したことのない珍しいものを食いたいと思う。 しかし一日は三食、無限に食えるわけではない。朝飯はコンビニ飯でも何でもいいとして…

明日から

もう何年前だったか思い出すことが出来ないけれど、新潟、山形、秋田、青森と日本海沿いに東北地方を車で回ったことがあった。帰って来て思ったのは、こうなると是が非でも、なにがなんでも西日本の日本海沿いを旅行してみたい、という強い思いである。そし…

ウソついた予報

3か月ぶりの歩く会。参加者15名。 台風一過で、予報は晴れる筈が一日中曇りに変わって、それがなんと、歩き出す頃は雨に変わった。しとしと霧のような雨だが、それでも濡れる。なんだよ~、天気予報、降るなんて聞いてないぞ~。でもまあ、止むを得なければ…

なにがなんだか

なにがなんだか分からないけれど、ブログのコメント欄が忽然と消えてなくなった。 思いつく限りいろいろ操作してみたが分からんチン。他の人のブログはきちんと機能しているようだし、何かやらかしたんだろうか!? 思いつくことはないが、ただ一つ、スマホ…

妄想はうたかたの如く

朝さんぽは、二日酔いで休んだり、雨が降るとさぼったりしながら、随分いいからカンに続けている。そんないいかげんな気持ちだから、ちっとも出っ腹が凹まない。凹まないままだと、なんだか息苦しく感じる。 このところ、朝に霧粒のような驟雨が降って、すぐ…

朝さんぽ再開

台風に伴う嫌な雨が収まったので朝さんぽを再開した。 晴れている、と思うと急にざあーとくる。大慌てに狼狽して家中の窓を閉めにかかる、しかし時を置かず青空がが覗いて晴れる、暑いから窓を開けるとまたざあーとくる。恐慌をきたして閉めたり開けたり。こ…

早朝散歩、続くかナ

世の中暑すぎる、下手に表に出ると焼け死ぬ、などとぐずぐず文句ばかっかり垂れていたけれど、珍しくこっ早く目が覚めたので早朝散歩に出かけた。例年通りのコースで旧態依然だが、通いなれた道は何も考える必要がないから楽でいい。 川の土手道で舗装してあ…

目にはさやかに

サントリー府中ビール工場、9月の予約申し込み、予約できず。 30分間電話かけぱなし、なのにスンともつながらず、 がっくりきて、悔しくて、呪いたい。 ほんッとう~に、久方ぶりの曇空、気温低めで生き返った気持ちがする。 午後過ぎとうとうポツリときて、…

言うまいと思えど続くこの暑さ

なんというか、言語同断の暑さが続いている。 毎日朝の7時ころからすでにあちちだ。お天道さまが、うひひひ、さあ今日もガンガンいってみよう! と妙に張り切って、これが昼日中と来た日にゃ、頭のてっぺんからグワシャと照り付け、すべてのものをじりじりと…

備忘録・・・『日本企業の復活力』を読んで

図書館で見つけ、読んでみた。 ここ最近、日本の産業力はいったいどうなってしまったんだろう!? と考えることが多くなった。想い起こせば、かっては「日の丸半導体」とか言われ、日本の電子機器の宣伝看板があらゆる国にあふれ、世界を席巻していたように…

渓谷もあるのだ

渓谷を歩けば少しは涼しいかもなあ、 ってんで、仲間3人で鳩ノ巣渓谷へ行ってきた。多摩川の上流域。 仲間は、「大丈夫おじさん」(なんでもかんでも大丈夫だぁが口癖、北海道出身)と「カフェおばさん」(いつもおいしいコーヒーを淹れてくれる、東京都出身…

梅雨の隙間にそれ行け

野外を歩いてなにがしかのお勉強をする という催があり、参加した。 お勉強を教えてくれるのは、30歳台の若い、大学の先生あるいは研究者。老いては若者に従え、という金言があるので素直に従うことにしたのだが、一日目は大雨ざんざん、教室閉鎖のためよん…

緑も雨も滴るほどに

今回の「歩く会」、テーマは「武蔵野の戦争遺跡」 滴る緑の若葉に雨も滴り、でもしかし意義深かった。 細かい霧のような雨が頬を濡らすけれど、傘を差したり差さなかったりして、三鷹駅北口から歩き始めた。昔の「中島飛行機工場」へ続く引込線の跡地の遊歩…

新緑はいきんぐ

山の緑が美しくなったので、仲間とハイキングに出かけた。 場所は青梅の裏山、ほんのちょっこっとの短いコース。 ハイキングと言っても、街のすぐ近くだし、コースは平らかで子供でも歩けるし、ゆっくり歩いても3時間程度の距離だし、要するに高齢者向きにで…

春は野川で

今回の「歩く会」は野川。 野川は国分寺崖線に沿って、(主に)湧水を集めて多摩川に合流する小さな流れ。 野川の流れ出しは、国分寺駅近くの日立研究所内「大池」と、古代国分寺跡近傍の「真姿の池」と言われているが、途中から国分寺崖線の他の湧水を集め…

江戸の花見は飛鳥山

今回は「江戸文化」サークルのお誘いがあって混ぜてもらった。 江戸を偲んで、飛鳥山で花見としゃれこもうというわけらしい。 飛鳥山は王子駅の裏側。で、東京の西の場末から”えんやこら”と串刺しにして東へ、それからとことこ北の端っこへ乗り換え、王子駅…

春やはる将軍様の城下町

今月の「歩く会」は、皇居ならぬ「江戸城ぐるっと」。 東京郊外に住んで長いけれど、江戸城をつぶさに意識したことがなかった。 自分が住んでいるところの、ど真ん中ぐらいはちゃんと見ておかなくちゃあなあ。 実は、宮部みゆきさんが著書『平成お徒隊』で歩…

ひーはー三昧の日

なんだか本式の春が来てしまったようだ。 こんなことでいいのか!? オンダンカか? と思うけれど、来てしまったものは仕方がない。で、いろいろ芽吹くのではないかと考え、もぞもぞと這いだして散歩。まだ遠くへ行くまでの元気が湧ないから、近場をちょろっ…

早春は4月の陽気

とにかく、すんげえ温ったかくなる、というからさんぽ。 土手道を歩いて行ったら、温とい日差しを受けて、散歩の人がちらほら歩いている。寒さの中から抜け出して、もぞもぞと動き始めた人たち、当方もその一人であることは間違いないが、啓蟄の虫も、われら…

春まだ寒き内藤新宿

今回の「歩く会」は、内藤新宿、要するに新宿区。 今まで江戸4宿のうち、千住宿、板橋宿、品川宿を歩いたが、その最後を飾る。 宿場は四谷大木戸から新宿追分(現:新宿三丁目付近)まで新宿御苑を含め、甲州街道に沿っておおよそ東西1㎞という。開設を願い…