doniti 日誌

( おもしろき こともある世を おもしろく)

導水管みちと道っ端の花

 

 羽村の堰から村山貯水池へ、水道管埋設の「導水管みち」。

 横田基地を挟んで西東、この道をゆったりぶらぶら歩いてみよう。

 前回、基地から西へ羽村堰、今日は東へ村山貯水池まで。

 

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 このフェンスの向こう側は、横田基地だとばかり思っていたが地図を見るとIHIの工場があり、工場の敷地かもしれない。ま、どちらにしろ、導水管は基地の中の滑走路を横断しているわけで、あの巨大な鉄の塊みたいな軍用機が離発着する下で、コンクリート製の導水管は大丈夫なのか、と思う。

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  それはさておき、くるりと振り返れば、そこにわれらが導水管みち(正式名称、「野山北公園・自転車道」)が民家の裏に、真っ直ぐに愚直に延びている。2mほどの舗装部分を挟んで両側に予備の土地が空いているから、基地西側部分の道と比べると随分広く、かつまたよく整備されている。 

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 実は先日この場所を確認しておいた。「電車に乗るんじゃあねえ!」というから、今回はここまでちょっくら車で運搬されてきた。時刻は8時半と早いが、今日もまた、道っ端の花を友とし、そよ吹く風を道案内に命じて、ふらふら、ゆるゆるいってみよう。

 

 

 前回名前が分らなかった草がここにもあったので、しつこいようだが、分かる人がいるかも知れず、試みにアップしておこう。ほんとにもう、花というよりは草であり、その先っぽに花なんだか実なんだか、訳の分からんものが粒々と付いている。

 

 

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 ①一本引き抜いて舗装の上に横たえ、見れば小さな葉っぱは対生し、茎の上の方に粒みたいな、これが花なのか、実なのか。その部分を拡大(ピンボケで済まんこってす)してみれば、緑色の2㎜ほどの筒状の先がなんとなく白っぽい。

 図鑑を見て素人判断すると、「ミミナグサの咲き終わった後」のような気がするのだが、よく見ると上の写真の茎の方に「白い花様」のものが2個見える。花だったかも知れない。あたら手掛かりをみすみす見逃した、かもしれない。

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  さて、導水管みちは桜並木に変わった。随分太い桜だから、もしかすると導水管が造られた大正末、昭和初期に植えられものかもしれない。舗装の下に導水管が埋まっているのだろう。ここに山口貯水池を作る際、資材運搬のトロッコが運行されていた。

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 明るい日差しに煌めく若葉と木洩れ日が美しい。先日の基地西側の道を歩く人はいなかったが、こちらは散歩の人がちらほら。舗装の両脇の草っ原に、道っ端の花がなんぼでも、好きなだけ生えている。それをいちいち覗いているから、遅々として進まない。

 

 

 

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 ②これは図鑑によれば「ウシハコベ」というものだろうか。花の写し方が下手っぴいで分かりにくいが、花弁が深く裂けて5枚が10枚に見える。”緑なすハコベは萌えず”とはこの種の草だったのか。花の径は約1cmほど。

                 

 

 

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 ③左は、ピンがボケだが、スズメノテッポウではないかと思う。スズメがあるなら、カラスもあるだろうと思ってググってみたらカラスのテッポウ=カラスビシャクの異名とあった。カラスビシャクはおよそこれとは似ても似つかない姿。

 同右は、「ブタナ」だろうか、全く自信はない。フランスの豚はこれを好んで食すそうだが、径3cmほどの菊のような花は意外にも美しいのに、もしこれが「豚菜」なら、この名前はひどすぎるじゃないか。もう少しいい和名はないのか。

 

 

 

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 ④この二つは、分からない。同じ草の、成長したのとしてないの、のように見えるが、葉っぱが少し違うようでもある。持っている図鑑は花が主体で載っているから、花が咲いていないと確かめるすべがない。右の粒々に見えるのが花なのだろうと思うが、結局のところ分からない。トホホ

  

 

 

 導水管みちは、公園として大変立派に整備されている。桜の並木がずっと続いて、脇にベンチなども設えてあり、ところどころに児童公園などもある。ではあるが、余りにきれい過ぎて変化には乏しい。ま、それは贅沢というものか?

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 そうして狭山丘陵のふもとまで来た。約3㎞ほどに2時間近くも費やし、うろうろと蟻ん子のように地べたを這い回って、ピンボケ写真を何枚も撮り、あまつさえ虫眼鏡で覗き、結果、花草の同定もできず。う~む、情けなか~。 

 

 この先、導水管は狭山丘陵の凸凹をトンネルで通過している。60ミリ軌間のトロッコ道だから小さくて可愛いトンネルだが、照明も完備していて歩きやすい。子供たちがお父さんとともに自転車で走ってくる。

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    第一トンネル                      第二トンネル

 

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   第三トンネル                     第四トンネル

  

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 第4トンネルを抜けると細い山道となった。道を塞いでいる折れた木の枝を乗り越え、蜘蛛の巣を払いつつ進む。しかし山道ながら勾配はなく、平らなまま。狭山丘陵は外から見ると盛り上がって見えるから、登り勾配になるのだと思っていたが、村山貯水池まで平坦らしい。この辺りのことがどうもイマイチ呑み込めない。 

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 そして第五トンネルの手前で道は終わった。トンネルは金網で塞がれ侵入不可。闇の向こう側にぽつんと丸い出口が見えている。導水管みち探索は残念だがここで終わり。この先も登り勾配がないまま村山貯水池に注いでいるのだろうか? 

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 そこが気になったので、帰宅してグーグルさんに相談。第五トンネルの延長を辿ってみると、左下に、ざばざばと水が流れ落ちているのが見える。そのすぐ上で分岐しているのは山口貯水池への導水路だろうか。

 これによって愚案ずるに、村山貯水池は丘陵の谷間の低い位置にあるに違いない。周りの木々が盛り上がって見えるから高い位置だと勘違するのか? 羽村の取水口と貯水池は標高差が10メートル、自然流下でここまで持ってきているのだろう。 

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 さて、この山道でも名の知らぬ花を見つけた。林の中の道なので、住宅地の道っ端とは少し毛色の違う花があった。帰宅してポケット図鑑にあたってみたけれど、ようとしてその名を知らず。他の図鑑(低山編)も必要なのかあ? 乞う! 皆さんのご教授。

 

 

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 ⑤これは草花、というより灌木でその実らしい。クコかとも思ったが、なにしろ実の赤くなる季節は秋、というからどうしても違う。ルビーのような大変美しい色合いがあり、思わずつまんで口に入れそうになった。なんでも口に入れる赤子の如し。

 

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 ⑥これは、木の下の暗いところに暗く沈んでいた。花(蕾かな、径1cmぐらい)も葉っぱも楚々たる風情があって、なかなかだと思うのだが、どうしてあんな暗い影にひそんで隠れているんだろう。美人薄明、いや違った、美人は影がお好き?

 

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 ⑦これは、径10~15cmぐらいの独特の模様入り葉っぱで、やはり木陰に生えていた。「ユキノシタ」といわれる山菜の一種だろうか? もしそうだったら、この茎が伸びて、あのぶっ壊れたようなへんてこりんな花がつくのだが、果たして?

 

 

 さてさて、こんなところで導水管みち探索を終了するです。今日歩いたところは、桜の季節なら「花のトンネル」だろうですが、そのときにこのような地を這うが如き歩き方をしていれば、不審者扱いを受けるがです。

 

 

 しかし、それにしてもだ。いささか忸怩である。・・・歳をとっても、遠く世界を見て歩くでもなく、車中泊で日本中を放浪するでもなく、野草を調べ種まで分解して立派なサイトを作るでもなく。。。

 なんということのない住宅地の地べたをうろついて、細っけえ草やら花を探し回っているだけ! なんちゅうスケールの小ささ、なんちゅう夢の無さ、なんちゅう屁のような惨めさ、なんちゅう暗い情念、なんちゅう情けなさ加減!!

 

 

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 時刻は12時ごろで、帰るにゃあちと早い。どこへ行こうかしばし考えて、里山保全地域、正式名称は麗々しく、「都立野山北・六道山公園(里山民家)」へ行こうと思う。となると、武蔵村山市をほぼ縦断せねばならない。

 

 時間がかかるから、またの日に報告するです。

 (別に報告なんてしなくていい)・・・ま、そう言わずに!