doniti 日誌

( おもしろき こともある世を おもしろく)

カタツムリの哀れ

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 最近いろんなものに閉じ込められると思ったら、今度は前線に閉じ込められた。

と言っても被害が出るほどの閉じ込められ方でなかったのが幸い、まあ、散歩ができなかった程度だから、決して威張れるものじゃない。そんなわけで散歩も休んだり休んだり、ときに歩いたり、いいからかんのもの。

 

 土手道などを歩いていると、いろんな人と行違う。鬼の形相で歩く高齢者、2,3人佇んで喋りまくるお婆さん達、スイ~ッと追い抜いていく自転車の若者、すらりと細身でランニングウエアをキッカリ決めてる若い女性。

 こんな姿のいい若い女性は、何のために走っているのか? といぶかしく思う。ほっそりとスタイルがよくて脚がきれいで息切れもしていなさそうで。もしかして、体型を自慢したい!? だったら土手道じゃなくて街中を走るよなあ。やはり美しい容姿を維持するための努力なんだろうな。エライ!!

 

 

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 人間と出会うだけでなく、虫っけらとも行き違う。

 最近一定の場所で、小さなカタツムリが土手の舗装の上を、のそのそ動いているのを よく見かける。大きさは頭から尻尾までおよそ2,3センチぐらい、カタツムリのお子さん達かと思ったが、もしかするとミスジマイマイというのかもしれない。

 よく目にするのだが、なにしろ知識は皆無であり、調べる努力もせず、あまつさえ写真は下手っぴときているから、ぜんぜん誰だか分らんチンだ。ところがこの小さな生き物が、無慮何百も踏みつぶされて土手の舗装でお陀仏している。

 

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 踏みつぶすのは人間である。猫や犬は踏みつぶすより、もしかすると食ってしまうだろう。ならば散歩やランニングの靴、自転車のタイヤ、そんなものに、のそのそしている彼らは、あわれぐしゃりとやられてしまう。

 そのぐしゃりが乾いてゴミみたいになったのが、いくつもいくつも舗装の上に散らばっている。こんなに数が多いと、もしかして彼らは絶滅するんじゃないか、史上幾多の動物が人間に絶滅されたと聞く。(しないってば、そんなに柔じゃないだろう)。

 

 それにしても、彼らはなぜ舗装の上などに這いだしてくるのだろうか?

 これに関して思い出したことがある。昔、田舎の土手道を歩いていたら、ミミズの干からびたやつが延々数㎞にわたって土手道に散乱していた。そのときにミミズに聞いた話は以下のようである。

 「とんでもねえだ、これだけガンガン炙られた日にゃ、息苦しくって土の中なんぞにいられたもんじゃねえ。地上の新鮮な空気を吸いたいばかりに表に出てみりゃ、えれえこんに、あっという間に焦げちまってたちまち干からびる。どこさ行けばいいだあ」

 
 

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 このカタツムリは、なりが小さいのでいっそう哀れに思う。

 しかしもっと小さい目に見えないようなやつを足のひと踏みで殺しているともいう。

 そうしなきゃあ、こちとらが生きていけない。許せよ生き物。