買い物のついでに
ちくっと昭和記念公園。
瞬く間に園内は若葉の季節になっていた。平日だけれど、中高年がみっしり。お目当てはチューリップであるらしい。が、若葉の輝きだってバカにしたもんじゃないと思う。(誰もバカになんかしていない、かってに独りで決めつけるナ)
多摩地方はこの時期(今年は少し早いようだが)、山の若葉がウソみたいに美しい。全国どこでもそうなのだろうが、芽吹いたばかりの、柔らかそうな、色も易しい若葉が陽光に煌めくさまは、毎年見ていてもなにがなし、こころがそよぐ。
で、こもれびの丘の林へ行ってみた。どんぴしゃの浅黄色した若葉。しかも嬉しいことに、ここには人がほとんどいない。人は皆、チーリップの方に群れているらしい。静かな雑木林の、美しい若葉を独り占め。
木洩れ日の里にも行ってみた。この一角は、この地方の昔の光景を再現するらしい。移築された農家や蔵が春の花に彩られている。水車小屋まで作ったのはちとやりすぎのような気がするが、家の周りの畑はボランティアの人たちが管理している。
本物の谷戸の風景とは比べるべくもないけれど、まあ人工的な公園としてはこんなところだろうかと思う。人が意図して作り上げたものは、見ていても長くはもたない。すぐに飽きてしまうような気がする。
それにしても今日は鬼のように暑い。休憩所に入って、壁際の長いすで昼飯。コンビニおにぎりとあんパンを齧る。いつもいつも、こんな貧乏昼飯だが、それで十分。貧乏ではあるけれど、だからということもできるが、豪華な昼飯は不要だ。
向こうのテーブル席は中高年女子のグループ。目の前のテーブル席に年功を経た家族連れ、老人2名と中年青年2名、弁当のようなものを広げている。見るものがないから自然と目に入る。と青年2名のうち太ったほうが、実に暇なく食い物を口に運ぶ。
飯を口に放り込んだとみるや、たちまち卵焼きを食いはじめ、続いて肉の切れっぱしを押し込み、また卵焼きを齧った。食うに少しの猶予なく、次から次、留まるところをを知らない。しかしそんなものを眺めている方も、どうにかしている。
それから日本庭園にもいってみた。若葉が池に映って見ごたえあるかと思ったが、大した景色は展開していなかった。やはりここは紅葉がいいようである。それぞれの季節に、見ごたえのある場所を、係の人は必死に作っているのだろうと思う。
さてここからは怒涛のチューリップ。この暑さで花が開ききったものもあるが、同じ色合いのものを塊にして植えてあるので、パッチワークのような花色を楽しめる。案の定ここは人がごっちゃり、皆、感動の態である。
まだまだ怒涛。
これでもか!
ええいっ、これでどうだ!
ふう! 疲れた。
もう電車で帰ろう。